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売掛がコワイ・・・取引先の不調を知るためのポイント


会社の安定した経営には、活気あふれる社員と魅力ある商品、安定した資金繰りの「ヒト・モノ(サービス)・カネ」の3つが欠かせません。このうち、会社経営を直接左右するものの、目に見えにくいのが資金繰りです。
今回はその資金繰りの中でもわかりにくい「売り掛け」について見てみましょう。

「売り掛け(うりかけ)」と「売掛金(うりかけきん)」

「売り掛け」とは、簿記や会計、商業の現場での専門用語の1つであり、平たく言えば「代金後払いで商品を販売すること」を言い、売り掛けで販売した商品の代金を受領する権利(債権)のことを「売掛金」と言います。売掛金に類似する債権を総称して「売上債権(うりあげさいけん)」と呼び、手形を保有していれば「受取手形」、手形がなければ売掛金と区別されます。
未回収の売掛金を「未収金(みしゅうきん)」もしくは「未収(みしゅう)」と呼び、仮に相手方の企業の倒産や営業停止などにより回収できなかった分は未収から「貸し倒れ(かしだおれ)」と変わります。
貸し倒れとなった売掛金のうち、回収不能となった部分を貸し倒れ償却(かしだおれしょうきゃく)または「不良債権(ふりょうさいけん)」と呼び、会計上は損失として処理されます。

掛取引のメリットとは何か?

このように会社の倒産の引き金ともなる売り掛けという仕組みですが、簿記や会計、商業の現場ではごく当たり前に使われている仕組みでもあります。なぜ、リスクの大きい売り掛けという仕組みはそのまま使われているのでしょうか。
売り掛けをはじめとする掛取引を取り入れるメリットとしては、会計処理上の項目である勘定科目の残高について責任の所在がハッキリすることがあげられます。売掛金は販売部門(営業)、買掛金であれば購入部門(購買部)の責任で処理されるので、未収入金や立替金、預かり金などの他の債権債務と管轄部署が異なり、差異や違算に対しての処理や対応が迅速にできるため、処理が簡単になることが期待できます。
会計処理の迅速化というメリットが掛取引の未回収というデメリットを上回っているため、現在でも簿記や会計、商業の現場では掛取引は一般的に使われているのです。

売掛金の回収に失敗するとどうなるのか

このように会計処理上は便利な売り掛けをはじめとする掛取引の仕組みですが、仮に回収に失敗するとどうなるのでしょうか。東日本大震災後のとある会社の事例で、回収に失敗した場合を見てみましょう。

株式会社ニッセン 民事再生申請
株式会社ニッセン(大阪府羽曳野市川向222-2)は昭和10年創業の繊維パイル製品の製造業者。自動車メーカー向けなどを手掛け平成20年4月期には約12億円の売上高を計上。リーマンショック後の売上高は自動車販売の世界的な不振により減少したものの、海外メーカーに対して売上高は維持された。
しかし、利益は原料高もあり薄利多売となっており、資金繰りには窮していた。そうした中、売掛先から入金が遅れ資金ショート、今回の事態に至った。
http://n-seikei.jp/2011/06/post-6512.html

このように会社の経営状況に大きな問題がなくても、売掛金の回収に失敗して売り掛けが不良債権となると、資金繰りに詰まって会社が破産することもあります。このケースでは既に資金繰りに窮していたものの、破産に至る直接の原因として、「売掛金の回収失敗」があげられています。掛取引の管理に失敗するとそのまま企業の倒産に至ることもあるため、売り掛けをはじめとする掛取引は、相手方の会社経営の状況を把握するための重要な要素の1つと考えられています。

おわりに

企業の経理処理に欠かせない技術である簿記や会計といった技術では、売り掛け・買い掛けに代表される掛取引はごく一般的に利用されていますが、回収に失敗すると不良債権になるリスクも秘めています。
安定した会社経営のためには、掛取引のメリットとデメリットを踏まえた利用が欠かせないと言えるでしょう。

 

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会社復活マン

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